日本アカデミー賞で、最優秀作品賞をとった時に主演の渡辺謙さんが男泣きしていたのが印象的で、いつか観たいなと思っていた映画。“あくまでもフィクションである”とはいえ、25年前の日航ジャンボ機墜落事故を題材にしている作品なので、きのう8月12日に観てみました。
原作は山崎豊子さんのベストセラー小説『沈まぬ太陽』。3時間22分という長い映画なので、劇場公開時には途中で10分間の休憩時間があったと聞いていたのですが、DVDにもあるんですのね、休憩タイム。画面が黒くなって音楽が流れるんですの。ちょっとびっくり。なにはともあれ、出てくる俳優さんが渡辺謙、三浦友和、鈴木京香、松雪泰子、石坂浩二、宇津井健、木村多江、香川照之、小林稔侍・・・・と、そうそうたるメンバーで見ごたえあります。
渡辺謙さん演じる恩地元(おんちはじめ)は、巨大企業“国民航空”の社員。60年代、労組の委員長として“労働条件の改善が日本の空の安全につながる”と会社側と熱く戦った、いわゆる“赤”の人間。統率力があり仲間の信頼が厚い恩地を恐れた会社側は彼を海外に飛ばします。しかもハイチ、テヘランと僻地ばかりで子供からも「お父さん、左遷されたの?」と言われる始末。正しいことを言っているのに報われないという悲しい現実が続きます。自分の出世と引き替えに組合の弱小化に加担した行天四郎(ぎょうてんしろう)=三浦友和は、母親危篤の知らせで緊急帰国した恩地に、「形だけでいいんだ。会社に詫び状を書け。そうすればまた日本に戻れるぞ」とアドバイス。しかし自分の信念を曲げない恩地は動じません。すると今度はナイロビ勤務の辞令が下ってしまいます。最期は単身赴任で孤独に耐えながら約10年の僻地勤務を終えた恩地はようやく日本に帰国します。
時は流れて1985年。国航のジャンボ機が群馬県の山中に墜落し520名の犠牲者を出す惨事に。恩地は遺族の世話係としてやりきれない日々を送ります。体育館にずらりと並んだ棺。そこで遺体と対面する遺族の悲しみのシーンは涙無くしては見られません。会社員として、夫として、そして父親として、それぞれの立場での恩地さんの決断や選択。それから同じ会社で働く、恩地と行天という対照的な二人の男性。それを取り巻く人間模様がこの映画の見どころです。
国民航空の再生のために政府から直々に要請があって会長の座に就任した国見正之こと石坂浩二さんが渋くてカッコイイです。そして、いつ、どんなときでも恩地を影で支える奥さん役の鈴木京香さんの演技が胸にじーんと来ました。夫と手をつなごうと「あなた、」といって手を差し出すシーンが一番好きなシーンです。
見終わって、あーすっきりしたという気持ちになれる映画ではありません。必死で上にはいあがろうとする人、それを裏で阻止しようとする人、ウソを言ったりもちあげたりしながら調和をとるフリをして目を光らせている“エライ人”がいっぱい出てくるんですもの。大きい会社を動かすっていうのは大変なんだなぁ~ってなんだか小学生みたいな感想ですがそれが率直な感想でした。
ゆきぴゅーの評価: 




何時も面白く拝見させて頂いております。
中にひとつ、転換ミス?を見付けました。
・・・・会社側は彼を海外に飛ばします。しかもハイチ、テヘランと僻地ばかりで・・・・の記述のうちハイチはカリブ海の国名で、彼が飛ばされたのは(パキスタンの)カラチです。
余計なことでご免なさい。